体に良い油と悪い油

「油」は美容や健康を意識する際に敬遠されがちですが、「油」は、決して害ではなく、むしろ、人の体を健康的に、肌を理想的に保つためには必要不可欠なものです。

体を作る細胞や血液、ホルモンを作るのにも油が必要です。また、体に必要な油にしかとけない栄養分、例えば、ビタミンA、D、E、Kなどの吸収を助けます。

良質な油をとることで、ホルモンバランスが整い、生殖機能トラブルの改善します。脳の働きをよくし、認知症やうつ病を予防、体の新陳代謝を高め、アレルギー予防にも役立ちます。また、油は、体の内側から若返り肌や髪に潤いやハリをもたらしますから、油不足は美容と健康の大敵です。

ただし、油には、体に良い油と悪い油があります。

良い油に関する知識を持ち、「体や肌が喜ぶ油」を体に取り入れていきましょう。

油の種類

油に含まれる脂肪酸によって、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸に分類されます。

不飽和脂肪酸には、トランス脂肪酸・オメガ9・オメガ6・オメガ3があり、そのうちトランス脂肪酸は主に加工油に含まれています。常温で液体であることが多く、光、空気、熱によって酸化しやすい性質があります。

トランス脂肪酸は、人の健康と生命に危険を及ぼす様々な疾患のリスクを高める油として注目されています。

トランス脂肪酸をたくさん含む食品として、マーガリンが挙げられます。また、安価な菓子パンにも、このマーガリンが多く含まれます。

しかし、植物油に含まれるオメガ9・オメガ6・オメガ3は健康に良いと言われ、バランス良く摂取することがすすめられています。

例えば、青魚やえごまに含まれるリノレン酸は、オメガ3に分類される脂肪酸で、細胞が正しく機能するために不可欠な成分です。

一方、飽和脂肪酸には、オレイン酸・リノール酸・ステアリン酸・パルチミン酸・ラウリン酸・ミリスチン酸などがあります。

肉類、バター、乳製品、パーム油に含まれ、常温では固体であることが多く、酸化しにくいという特徴があります。

摂取しすぎると、悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病につながりますので、洋食中心の食生活の方は気をつけましょう。

一方で、飽和脂肪酸の中でも、体内での消化吸収、代謝が早く、体に脂肪がつきにくい種類のオイルも有ります。それが、ココナッツオイル、パームオイルに代表される「中鎖脂肪酸」です。

善玉コレステロールの働きを助け、悪玉コレステロールを減少させる作用があり、中性脂肪の循環がスムーズになるため、ダイエットや健康に役立ちます。

良い油

健康と肌のコンディションのためには、粘り気の低い不飽和脂肪酸と、粘り気のある飽和脂肪酸をバランスよくとることが重要です。

肌に良い油である不飽和脂肪酸のオメガ9・オメガ6・オメガ3、飽和脂肪酸のオレイン酸・リノール酸・ステアリン酸・パルチミン酸・ラウリン酸・ミリスチン酸を意識して、食生活やスキンケアアイテムを選びましょう。

ココナッツオイル、パームオイルなど、中鎖脂肪酸を豊富に含むオイルもおすすめです。

また、これらのオイルを選ぶ上で重要なのは、原材料本来がもつ栄養価が含まれている未精製のオイルを選択することです。精製処理されると、熱処理や漂白がなされ、天然オイル本来がもつ性質の一部が奪われてしまうことがあります。

悪い油

酸化した油を、摂取するのは避けましょう。揚げたり、炒めたりして時間のたった料理は、酸化が進んでいます。ですから、作り置きされたコンビニ弁当や、スナック菓子は健康によくないのです。

マーガリンに代表されるトランス脂肪酸のように、液体の植物油脂に水素を添加して化学変化させた自然には固形にならない油です。

こうした油は、人の体の中で分解代謝することが難しく、老化やガンの元になる活性酸素を作り出すと言われています。さらに、悪玉コレステロールや中性脂肪を増加させるため、欧米では規制されています。

安価なため、加工食品に含まれることが多く、日本では現在のところ規制がないため、自主的な注意が必要です。

また、コーン油、サラダ油、ベニバナ油、サンフラワー油に多く含まれるリノール酸は、それ自体は悪いものではありませんが、多量摂取によるアレルギー疾患の増加が危惧されており、現代人の食生活に多く含まれがちなので、注意しましょう。

また、同様に、プロセスしすぎた油、精製油にも気をつけましょう。体に良い中鎖脂肪が含まれるココナッツオイルも、高熱処理や水素添加など精製処理を行うとトランス脂肪酸を含むようになってしまいます。

ガーナで、日々の食生活に欠かせないパームオイルですが、精製していない国内で消費される油は、真っ赤なオイルです。精製したパームオイルは、黄色のオイル。体に悪いオイルとして現地の住民に認識されおり、誰も口にしようとはしません。

自然本来に近い未精製オイルを食するのが好ましいことを、ガーナの人々はよく知っているのです。

自然界に存在しないモリンガバター

先日、ナチュラルスキンケアやオーガニックスキンケアをうたうスキンケアメーカーのプロダクトの中に、「モリンガバター」という成分を発見しました。

モリンガバターなんて、自然界にはないけど?と思って見てみると、なんと、モリンガオイルに水素添加したものだったのです。

水素を添加すると液体を固くすることができます。マーガリンを作る原理と同じです。

いかにも、モリンガオイルと同じような効果効能を記載していますが、テクスチャーが変化する過程で、マーガリンと同じように、油の性質も変化しているので、同じとは言えません。

こうして、勝手の良いように手を加えられた成分は、果たして、本当に人の肌に悪影響がないのか、しっかりと検証されずに、使われています。

今では、安全性が疑問視され、無添加化粧品では厭われるようになったパラベンですが、当初は、少量で防腐効果が高いとして、化粧品業界では救世主扱いされていました。

このような原材料を使っていても、オーガニックスキンケア、ナチュラルスキンケアと言われますから、消費者は疑問に思わずに手に取ってしまっているのです。

JUJUBODYのプロダクトは、良質な天然未精製オイルをそのまま大事に活かして作っています。四季の気温差が激しい日本では、温度によってテクスチャーが変化し、便利ではないかもしれません。でも、あえて、簡単に便利にできるものをそうせずに、ありのままの自然さを大事にするのは、そうして長年人々が使ってきた歴史と培われた文化に適う実証はないと思うからです。

未精製オイルの素晴らしさを実感していただきたいと思います。

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