2017.02

Cocoa Butter

カカオバターの日常生活での使われ方

カカオから抽出されるカカオバターは、オレイン酸をたっぷり含み、乾燥を防ぎ、肌を柔らかくしながら、保湿してくれる天然のオイルです。カカオバターとも、ココアバターとも言われますね。

まろやかさを出すため、チョコレートにも加えられているカカオバターですが、高価なため、安いチョコレートには、カカオバターではなく植物油を代用していることも多いです。

ちなみに、シアバターもカカオバターの代わりに、チョコレートに代用されることがあります。

cocoa butter on a wooden spoon on white background. selective focus

カカオバターの融点は36度ぐらいで、常温ではカチコチの固形、写真のようにパリッとしていますが、体温で溶けます。

シアバターも融点は同じぐらいですが、常温時ではモゴモゴっとしていて、カカオバターよりも使い易いです。

その性質を活かし、精製されたカカオバターは、座薬などの薬剤に使われます。化粧品の原材料の一部として利用されています。

<精製カカオバターに、ポリフェノールは含まれていない>

グラインダーで、 カカオニブを磨り潰すと、約半分は脂肪分のため、細かく磨り潰すと液状になり、ペーストになります。このペーストをカカオリカーといい、プレス機でカカオリカーを圧搾して、ココアパウダーとカカオバターを分離して作られます。

ポリフェノールがふくまれているのは、このココアパウダーで、未精製のカカオバターだと分離する段階で、自然に、ほのかに残ったポリフェノールが含まれるぐらいです。

ですから、精製されたカカオバターには、ポリフェノールは含まれていません。

普段、区別されることはありませんが、カカオバターといっても、実は、精製か未精製で違うのです。

精製されたカカオバターは、カカオアレルギーがある人でも、アレルギー反応が起きません。

言い換えれば、カカオを元に製造されてはいますが、カカオ本来の成分は、取り除かれています。

これは、必ずしも悪いわけではありません。薬剤として使われる場合は、精製カカオバターの方が望ましいですよね。

でも、カカオ本来の恵みを楽しみたい場合には・・・?日本の美容業界では、ほとんど選択肢がないため、では、あえて作ろう!と、TRUE COCOA BUTTERを開発するに至りました。

通常、化粧品に使われるカカオバターは、精製カカオバターですから、(未精製カカオバターの表示がなければ、ほぼ精製カカオバターだと思っていいでしょう)ポリフェノールが含まれているというのは、誤りです。

未精製カカオバターは、一度溶けて固まると、粒子構造が変わり、ツブツブになってしまうことがあります。

品質には問題ないのですが、未精製カカオバターは、気候によって、滑らかさが変わり、化粧品の原材料としてはダマになったり、とても扱いづらく、均一な商品を作りづらく、開発中も、カカオバターの色が変色したり、苦労しました。

<ガーナでのカカオバターは?>

チョコレートで有名なガーナは、カカオの産地。カカオバターもガーナ国内で製造されていますが、もともとガーナでカカオが自生していたわけではなく、生産されるようになったのは、19世紀末のこと。

シアバターの木のように、太古からガーナの地で育ち、現地の人が自分たちの生活の中に取り組んでいたのではなく、ヨーロッパへの輸出用に工場で加工されるようになりました。

もちろん、現地で生産される原材料として、今では多くの現地のスキンケアメーカーが、カカオバターを製品に取り入れています。

そのままでは固いので、シアバターのように、100%シアバターがそのまま売られることはあまりなく、シアバターやハチミツなどと混ぜて調合された製品が販売されています。

IMG_0589ただし、コミュニティーで作るものではなく、工場で輸出製品として製造される側面が強いので、どんな田舎でも、貧しい家庭にでも、必ずあると言っていいほど普及しているシアバターに比べると、そこまでは普及はしていません。

ガーナで愛されているカカオを使ったスキンケアというと、カカオの殻の炭が用いられた石鹸Black Soap「ブラックソープ」が最初に頭に浮かびます。

Black Soap「ブラックソープ」は、、黒というよりも、茶色っぽい柔らかい石鹸で、広く一般に人々に愛用されています

炭が汚れを吸着してくれて、悪くないのですが、とても溶けやすい石鹸で、日本の浴室事情には合わないかなあと思います。

ガーナで見ると、このゴロゴロっとした、歪な形も可愛らく感じるのですが、日本で見ると、「なんだこれ!?」と言われてしまうかも・・・