「奇跡の木」と呼ばれるモリンガは、古来から、様々な用途で人々に重宝されてきました。
古代ローマ、ギリシャ、エジプト人は、種から食べられるオイルを抽出し、香油やスキン・ローションとして利用してきました。
19世紀には、西インドのモリンガ農園から欧州へオイルが輸出され、香水、機械の潤滑油として用いられました。
インドでは、長らくモリンガの実を食し、西アフリカやアジアのある地域では、モリンガの葉を食してきました。
何世紀にも渡り、様々な国で、モリンガの葉はよくある病気を治すための薬として、伝統医療に活かされてきました。
最近の臨床研究によっても、これらの伝統医療の有効性の幾つかが証明されています。
まだまだ、更なる臨床研究が求められますが、そんな伝統医療としての世界各地でのモリンガの使用例を見てみましょう。
<マレーシア>
腸内寄生虫の駆除のため
<グアテマラ>
皮膚の感染症や傷
<プエルトリコ>
腸内寄生虫駆除のため
<オマーン>
モリンガオイルを胃の病気に。また、ヘアオイルや香水に。
<ハイチ>
モリンガの花を水に入れ、煮て、お茶として飲み、風邪の滋養強壮剤に。
<マラウイ>
乾燥したモリンガの葉を下痢の治療に。
<フィリピン>
貧血、リンパの腫れ、母乳の出をよくするため
<インド>
貧血、不安、喘息、黒ずみ、血液を浄化するため、気管支炎、胸部うっ血、コレラ、結膜炎、咳、下痢、目&耳の感染症、発熱、腺の腫れ、頭痛、異常な血圧、ヒステリー、関節の痛み、にきび、乾癬、呼吸器障害、壊血病、精液欠乏症、のどの痛み、捻挫、結核
いかがですか?
地域によって、伝統医療としてのモリンガの使われ方が違う点が面白いですよね。
インドでは、アーユルヴェーダで、モリンガが300種類の病気に効くと言われているだけあり、色々な用途で用いられていますね。
ガーナでは、モリンガの葉を、高血圧、糖尿病の治療、貧血、栄養失調対策、母乳の出をよくするため、免疫力向上のために利用することが一般的です。
モリンガは便秘にも良いと言われていますので、腸内をキレイにしてくれるという意味で、マレーシアやプエルトリコのように、腸内寄生虫駆除のために使うというのも、わかるような気がします。
これだけ様々な用途で用いられていると、逆に、一体、何に効くの?と迷われる方も多いと思いますが、モリンガの効能を一言で表すならば、「体の不調を正常に戻す」ということでしょう。
高血圧の人の血圧を正常に戻しますが、逆に、正常な血圧値の人の血圧を下げるか?というと、そうではないのです。
便秘で悩む人のお通じを改善しますが、そうでない人が催すか?というと、そうでもないのです。
ね、面白いでしょう?
きっと、「私は、モリンガのお茶を飲んだたら、こうだった!」とか、「モリンガオイルを使ったらこうなった!」という、それぞれの発見があると思いますよ。