2015.05

ビューティーコラム

日焼け止めの危険性

オゾン層破壊から紫外線量が増え、オーストラリアでの皮膚ガンが急増しているという話題をよく耳にしますが、実は、もともと日照量が少ない地域に住んでいた白人の疾患に限ったことで、白人が10万人に600人が皮膚ガンを発症するのに比べ、日本人などの黄色人種や原住民のアボリジニでは、10万人に5人の発症率といわれています。(『化粧法の常識のウソ』戸田 淨著・ 青春出版社・P.57)つまり、皮膚ガンに罹りやすいのは、オーストラリアに住む白人で、それ以外の人種では発症率が上昇しているわけではないのです。

 

日本でも、乳幼児からの紫外線対策が一般的になっていますが、紫外線を過度に恐れる必要はありません。皮膚は紫外線を浴びると、ビタミンD生成を促進します。このビタミンDには、さまざまなガン予防効果があるのです。化粧品業界から広告収入を得ているメディアは日光を悪玉にし、日焼け止めの有害性を取り上げることはありませんが、むしろ、日焼け止め製品に含まれている発ガン性の成分や環境ホルモンなどの有害化学物質が体に吸収される危険性は、紫外線の脅威よりも影響が大きいと識者間では論じられています。

 

アメリカでは、90年代よりUV化粧品の使用量が急増するとともに、含まれている成分による皮膚がんも増えました。 (『続どうしても化粧したいあなたに』船瀬俊介著・三一書房・P.151)黒人はメラニン量が多く、紫外線耐性が強く皮膚ガンに罹ることは珍しいといわれています。しかし、紫外線量の強いアフリカに住む黒人の皮膚ガン発症率は低いにもかかわらず、アメリカに住む黒人の皮膚ガン発症率は上昇しています。これは、日焼け止めの使用によるものと考えられています。

 

また、アフリカ系アメリカ人女性に乳癌が多く、アフリカ系アメリカ人男性に前立腺癌が多いのは、ビタミンD不足が原因と見られています。要するに、肌の色が濃い人種ほど、日光に当たる時間を長く取り、ビタミンDを合成する必要があるのです。黄色人種である日本人は、過度に紫外線を恐れる必要はありません。

 

真っ赤になるほどの日焼けは、やけどですからよくありませんが、安易に日焼け止めを多用して、発がん性物質を摂取することは危険です。紫外線吸収剤(化学合成化合物)を使った製品には、アレルギー、発ガンなど恐れがあります。紫外線反射剤を使った商品に含まれる酸化チタンは発がん性物質として認識されています。日焼け止めに限らず、化粧品一般的に肌の奥に有効成分を届けるために「ナノ粒子」を謳った商品が多く販売されていますが、「ナノ粒子」となった酸化亜鉛や酸化チタンはDNAを傷つけ、発ガンの恐れがあることが指摘されています。

 

皮膚は体の中でも面積の広い器官で、肌につけるものは、すべて数分のうちに血流に溶け込まれていくことが証明されています。厚生労働省では、毒性の高い化学物質を使用しているものを「外用のみ」に指定していますが、日焼け止め、化粧品、シャンプーなどさまざまなものに、毒性が高いために内服を禁じられている成分が入っており、実は、経皮から体内に取り込まれているのです。(『病気にならない人は知っている』ケヴィン・トルドー著・黒田眞知 訳・幻冬社・P.57~58)

 

薬剤には必ず副作用があります。必要以上に化学物質の入った製品をとるのではなく、自然の恵から得た知恵を活用するのが、身体にやさしい最善策ではないでしょうか?