2015.07

Coconut

愛しのメイド・イン・ガーナ ココナッツウォーター

ガーナの首都アクラは海も近く、ココナッツは人々の食生活にも馴染んでいます。

海岸沿いでは、近所の子供たちが、お小遣い稼ぎに、まっすぐに天に伸びたココナッツの木に、上手によじ登って落とし、それを剥いて、飲みやすい形にして渡してくれます。

市内の路上では、リヤカーいっぱいにココナッツが置かれています。その場でお兄さんがナタでうまく切って、穴を開けてくれるので、ココナッツウォーターを飲み干します。1個、だいたい1.5セディ。50円ほどです。

coconut-2このとき、「硬いのがいい?柔らかいのがいい?」と聞かれます。

硬いものは、ココナッツの殻についている白い果肉部分が硬いもの。柔らかいのは、白い果肉部分が柔らかいもの。ココナッツウォーターを飲み干し、その殻をお兄さんに渡すと、うまく割って、殻の一部の破片をスプーン代わりにその部分を取って、ゼリー感覚で食べるというものです。

硬いものは、コリコリと食べ応えがあって、お腹いっぱいになるので、お腹が空いていてお金がないときは、硬いものをオーダーする人が多いようです。

また、ココナッツウォーターの味もココナッツの成熟度によって味が違います。硬いもののほうが、よりさっぱりした感じと言えば良いでしょうか。柔らかいものは、クセがもう少し強く、味がしっかりした感じ。

どちらが好みか、両方試してみましたが、個人的には、柔らかいココナッツが好みでした。

ココナッツウォーターには、非常に多くの電解質やミネラルが含まれ、むくみを予防するカリウムや、骨や歯を強くするカルシウム、エネルギーの代謝を高めるマグネシウムも多く含まれています。

新陳代謝が促進されるので、デトックス効果が期待できるだけでなく、水分量の回復も早いため、疲労を早期に回復させる作用もあると言われ、「飲む点滴」と、欧米でも注目されています。

人間の体液とほぼ同じ浸透圧で、水分、電解質補給の飲料水として熱帯地域では重宝されてきました。栄養価が高いのに、カロリーは、100g当たり20kcalと低く、ハリウッドスターを中心に、ダイエットや美容に良いスーパーフードとして人気を集めています。

大昔、日本で、横浜の中華街で初めて生のココナッツからココナッツウォーターを飲んだときには、「まずい!」と思ったものですが、そのときの味と全く違い、ガーナで飲むココナッツウォーターは、とても飲みやすくて美味しいです。

フレッシュさが違うからでしょうか?

敢えて、馴染みのある飲料水で例えるならば、ポカリスウェットのよう。水よりもやさしく、水分が体にすっと浸透していくのがわかります。

ガーナでも、ココナッツウォーターを単純にそのままボトルに詰めただけのココナッツウォーターが販売されています。

全く添加物が入っていないので、賞味期限は5日ぐらい。

まだ、産業スケールで製造している会社は少なく、家族経営で、近所のガソリンスタンドなどで売っているという状況です。

フレッシュジュースは、日が経つと、だんだん発酵するので、賞味期限中であっても、味が酸味を帯び変わってきます。この発酵を防ぐために、ボトルに詰める際に、真空にするとか、何か方法があるのでしょうか??

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例えば、このタイ産の「100%ココナッツウォーター、No addictive, No sugar」添加物、砂糖不使用 というココナッツウォーターは、賞味期限が数ヶ月と長く、飲んだら、同じ原材料とは思えないほど味が異なりました。

うーん、やっぱり、表示義務のない添加物が入っているとしか思えないなあ・・・

単なる、産地の違いとは思えない、ワインと日本酒ほどの違いを感じたのです。トロピカルな雰囲気がとても素敵なPEARL ROYALのココナッツウォーターは、甘ったるくて美味しくない・・・

coconut-4一方、よく見かけるVITA COCOは、甘さはPEARL ROYALのようにありませんが、変な後味、クセがあり、これも、私が愛するガーナのココナッツウォーターのように美味しくない・・・

国をあげてココナッツ産業が盛んなフィリピンと異なり、ガーナのココナッツ産業は、現状、国内消費レベル。

現在のように、無添加では、賞味期限が5日では、毎日直行便が通っているイギリスでも難しいですが、空輸に経由で3日かかる日本に輸出するには、店頭に並ぶ頃には、賞味期限が切れてしまいます。

かといって、添加物を加えては、ココナッツウォーター本来のもつ栄養価、良さが奪われてしまいます。

日本のテクノロジーとの融合で、なんとか、この美味しいココナッツウォーターをガーナから日本に届けられないだろうか。

ココナッツウォーターって、本当は美味しいのだよと伝えたい。

あのココナッツウォーターを日本でも飲みたい!という自分の夢もあいまって、いつか実現させたいと思いながら、ついついココナッツウォーターを見ては手を伸ばし、飲んでは後悔するのを繰り返しています・・・